宮城県のものづくり産業は,沿岸部を中心に甚大な被害を受け,また,産業集積の中核をなす自動車関連産業や高度電子機械産業においては,地震による直接的被害とサプライチェーンの分断の影響により,震災以前の取引関係を維持することが困難な状況にある。このため,早急に生産活動を震災以前の水準に戻すことが必要不可欠であり,早期復興に向けた支援や自動車関連産業等の更なる誘致を進めるとともに,次代を担う新たな産業の集積・振興等を図り,地域特性を活かしたものづくり産業のグランドデザインを再構築することが重要である。
震災後の宮城の復興を実現し,持続可能な地域社会をつくっていくために何より必要なのは,復興・復旧を担う人材の育成である。宮城県では、自動車関連産業や高度電子機械産業等の企業誘致活動を展開するとともに,地元企業の取引拡大等に向けた支援を行うなど, 更なる産業集積を図り、自動車組込み産業等を維持発展させ、東北地方の基幹産業としての地位を確立することが望まれている。
東北地域の復興・復旧、産業の維持発展においては、電子制御の高度な技術を有する自動車組込み技術者の育成及び東北地域の産業界への人材供給が重要であり、かつ急務である。